■セアカゴケグモ

セアカゴケグモは 1995年に大阪府高石市で侵入・生息が初めて確認されて以来分布域を広げ、その生息域が 2017214日現在、全国 44都府県にまで及んでいます。

(昆虫情報処理研究会ホームページより)


- 形 態 

雌の体長は約 10mm、雄の体長は約 3mmです。雌は体全体が黒色で、腹部背面に目立つ赤色の縦状紋があります。腹部腹面には、ゴケグモ類特有の砂時計様の赤色または橙色の模様が見られます。卵嚢は球形をしており、直径が約 10mmで、白色または黄褐色です。

セアカゴケグモ(雌)
セアカゴケグモ(雌)
(亜生体・腹面の砂時計模様)
(亜生体・腹面の砂時計模様)
セアカゴケグモ(雌と卵嚢)
セアカゴケグモ(雌と卵嚢)

- 生 態 

雌は 35個の卵嚢を一生の間数回産下し、13週間で次の卵嚢を再び産下することができます。一つの卵嚢中には平均 200個の卵があり、孵った雌は平均 73日で成熟し、雄は平均 40日で成熟します。

(吉田 30℃での室内飼育実験結果、公衛研ニュース第 12号より)

植木(巣)
植木(巣)
グレーチング裏(巣)
グレーチング裏(巣)

- 被 害 

セアカゴケグモは強力な神経毒を有しており、咬まれた場合、はじめにチクッとした痛み、その後激しい痛み、発汗、腫れ、嘔吐などの症状が現れることがあります。毒量は少なく、致命的になることは殆どないと思われますが、体力のないお年寄りや子供さんは重症化することも考えられ危険です。咬まれた場合は患部を水で洗い、咬んだクモを持って病院へ行き、出来るだけ早く治療を受けて下さい。

 

大阪府下においては、分布の拡大とともに咬傷被害も増えてきており、1997年から20188月末までに 93件の咬傷被害がありました。その中で 2009年度の咬傷被害が最も多く 14件となっています。(大阪府環境衛生課ホームページより)

 

自宅の庭で履物をはいたときや植木の手入れをしているとき、庭の掃除をしているときなど身近で咬まれるケースが多くなり、それだけ一般住宅にも分布が広がっていることがうかがえます。ベンチ裏や遊具などに営巣していることもあり、特に注意が必要です。車場のグレーチング、排水溝の蓋の裏、ブロック植木、窓枠など、日当たりの良い乾燥した場所の人工物などに生息しています。巣には枯葉等が付着していることもあります。

- 駆 除 

一般住宅や施設などで数匹見つかる程度の小規模な発生の場合は、割り箸などで取り除いたり、市販の家庭用エアゾール剤を噴霧して駆除できますが、大量発生している場合は、労力と時間を要する上に、作業中衣服に付着する可能性も考えられ危険です。

近年、セアカゴケグモの生息域が広がってきており、駆除作業を終えたとしても、また

 

新たな侵入が十分予測されます。一回だけの駆除に止まらず、定期的に生息調査・監視業務を行い、適切な駆除管理を実施することが重要と考えます。